2013年3月7日木曜日

ろ布の劣化

焼却施設用集じん器に使用されているろ布の劣化は
1.目詰まり
2.基布(ガラスクロス)の破損 により進行します。

目詰まりは、剥離剤(助剤)が不十分であったり、ケーシングが破孔していることによりろ布表面に脱塩剤+飛灰が固着することにより発生します。(払い落としが効かなくなります。)
* 外気漏れ込によりろ布自体が吸湿した場合は吸湿部で急速に破孔へ向かいます。










 
不具合ヶ所はリテーナーの水平リング部分で、梱包配送時の折り目に沿って発生しており、ろ布分析時の小さなサンプルピースでは実態を把握することができない状態です。










通常運転においては、差圧1~1.5kPaであり、ΔPが1.5kPaの試験データとして約3万回の折り曲げによりガラスクロスが破損したとなっております。しかしながら、1.5万回のパルスにて破損等不具合が発生していることから、通常運転時の圧損変化も寿命に影響を与えていることがわかります。





リテーナーとろ布のクリアランスを小さくすること。運転中の差圧を小さく(1.1kPa程度)することで寿命を延ばすことができます。
基布をガラスクロスからフェルト等屈曲に強いもの変更するとさらに寿命が延びます。